日本酒度とは?
日本酒度は、清酒と水の比重を表すための単位です。
一般に日本酒度がマイナスであればあるほど、その日本酒には糖分が多く含まれている、つまり甘口になります。逆に数値がプラスであればあるほど、辛口となります。
糖分を含んだ日本酒は水よりも重いため、水を基準で考えると日本酒度はマイナスになります。逆に糖分が少ない日本酒は水より軽いため、プラスになります。
国税庁が公表している「全国市販酒類調査結果」によると、平均的な「日本酒度」は3.1~4.6となっています。標準偏差を考慮すると、おおよそ 「日本酒度」 が0~7の範囲内で、68.2%の清酒が含まれていると考えられるので、0以下を甘口、7以上を辛口寄りの清酒と表現しても良いかもしれません。
ただし、 「日本酒度」 は味わいを表すための複数あるうちの1つの指標でしかないと考えるべきです。日本酒の成分は、糖分の他にも「アルコール分」や「酸度」、「アミノ酸度」など様々な要素によって決定されます。日本酒のラベル(成分表示)から味を想像する際には、後述の指標を複合的に参考にするとより味の想像が付きやすくなります。
またこのページでは、「日本酒」と「清酒」をあまり区別せず説明していますが、正確には「酒税法」上、「日本酒」は「清酒」と表記されており、「清酒」とは「必ず米を使う事、必ず漉す事」とされています。つまり「清酒」は「日本酒」の一部と解釈する事ができます。
三 「清酒」とは、左に掲げる酒類をいう。
出典:酒税法における「清酒」の定義
イ 米、米こうじ及び水を原料として発酵させて、こしたもの
ロ 米、水及び清酒かす、米こうじその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの(イ又はハに該当するものを除く。)。但し、その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が米(こうじ米を含む。)の重量をこえないものに限る。
ハ 清酒に清酒かすを加えて、こしたもの
日本酒(清酒)のアルコール分
アルコール分とは、温度 15℃において、清酒中のエタノールの体積百分率(%)を表示したものです。市販の日本酒平均は15%強ですが、これは原酒を割水したものであることが多く、原酒(※)の時点では 20%近くアルコール分があります。
※割水を全く行わない製品は「原酒」と表記されます。
日本酒(清酒)の酸度
酸度とは、清酒に含まれるコハク酸・クエン酸・リンゴ酸・乳酸等の酸の総量を表したものです。コハク酸は旨味成分であり、お酒にコクを与えます。クエン酸とリンゴ酸は、それぞれレモン、リンゴに含まれる主要酸です。どちらも爽やかな酸で、冷酒に向いた酸といわれています。乳酸は清酒の製造上、雑菌汚染を防ぐために必要とされる酸です。乳酸の酸味は、刺激が強いですが、燗酒にすることで、爽やかな酸味となります。酸度は高いほど、より芳醇な味わいに近づき、低ければ淡麗な味わいになります。
日本酒度(後述)が同一であれば酸度の高い清酒が辛く感じ、低ければ甘く感じます。分析法は、清酒 10ml を、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定します。滴定に要した水酸化ナトリウムの体積(ml)が酸度の値となります。混合指示薬(ブロモチモールブルーとニュートラルレッド)を使用し、赤色から淡緑色に変化したところを終点とします。
日本酒(清酒)の アミノ酸度
アミノ酸度は、清酒中に含まれる約 20 種類のアミノ酸含有量の指標です。一般的に、アミノ酸の量が多いと旨味とコクが出るようになります。しかし、多すぎると味が濃くなってしまい、くどく感じます。一方、アミノ酸が少ないとあっさりとした淡泊な味になります。アミノ酸の種類によっては、旨味だけでなく、甘味や苦味を感じるものもあります。例えば、アラニンは甘味、アルギニンは苦味に関与していることが知られています。
日本酒度別の日本酒例
赤ばくれん 吟醸 超辛口
くどき上手で有名な亀の井酒造の「辛口を極める」をコンセプトとして生み出された「ばくれん」シリーズの中でも、辛口の極み。と言われる「赤ばくれん 吟醸 超辛口」。日本酒度は、+20程で、日本酒度の高い辛口として有名です。
味わいとしては、辛口というだけあって、軽快でキレのある味わいです。アルコールが強く感じる事もあるので、しっかり和らぎ水と一緒に飲むことをお勧めします。またくどき上手は飲食店のラインナップとして並んでいる事も多いので、飲食店で飲んでみるのも良いと思います。